1974 年 23 巻 4 号 p. 368-373
151Eu核による21.6keVメスバウアーγ線の共鳴吸収強度が,試料(吸収体)中のユウロピウム濃度にどのように依存しているかを調べた.吸収強度として面積強度を用いた場合には,測定値の相対精度は±2.4%であった.
吸収体の質量吸収係数が大きくなると,吸収強度は減少し,いわゆるマトリックス効果がみられた.
ユウロピウムを質量吸収係数のきわめて小さなフッ化リチウム中に希釈することにより,ユウロピウム数mg/cm2から30mg/cm2(ユウロピウム量で数mgから80mg)の濃度範囲で吸収強度とユウロピウム濃度との間に近似的な比例関係が成立した.
マトリックス効果を補正し,比例関係の成立範囲を拡張する方法についても言及した.