分析化学
Print ISSN : 0525-1931
イオン電極を用いる硫黄化合物のガスクロマトグラフ分析におけるメルカプタンのピークの決定法
イオン選択性電極を用いる選択的ガスクロマトグラフ検出器(第6報)
小島 次雄瀬尾 義光佐藤 純一
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1975 年 24 巻 12 号 p. 772-776

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抄録
分離カラムからの流出成分を1×10-5~1×10-3Mの硝酸銀溶液が流れている吸収液中に導入する.メルカプタン類は銀メルカプチドを生成するので,吸収液中の銀イオン濃度は減少する.銀イオンの減少量はメルカプタン量に相当するので,銀・硫黄イオン電極で銀イオン濃度の変化を測定し,逆対数変換回路を経て記録すれば,メルカプタン類の選択的クロマトグラムが得られる.本法の最小検出量はt-ブチルメルカプタンについて1×10-11モルであり,3×10-8モルまで試料注入量とピーク面積との間に直線関係が認められた.メルカプタン類の検出に対する選択性について,メルカプタン以外の硫黄化合物及びその他の化合物について調べたところ,1000以上のよい選択度が得られた.応用例として,ライトナフサ中のメルカプタソの選択的検出が容易にできることを示した.
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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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