分析化学
Print ISSN : 0525-1931
高速液体クロマトグラフィーによるヒト尿中の紫外部吸収物質の迅速分析
瀬田 和夫和志武 三徳安茂 寿夫高井 信治奥山 典生
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1978 年 27 巻 2 号 p. 73-77

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抄録

スチレン系多孔質ゲルに第4級アンモニウム基を導入した巨大網状型陰イオン交換樹脂を,内径0.4cm,長さ50cmのクロマト管に充てんし,酢酸緩衝液の直線的濃度こう配溶出法を用いて,高速陰イオン交換クロマトグラフィーによるヒト尿中の紫外部吸収物質の迅速分析法について検討した.その結果,粒径(6±1)μmの樹脂を用いたとき分析が120分間以内に終了し,約100成分の尿中紫外部吸収物質の存在が認められる方法を確立し,この方法を標準分析法とした.次に分析の再現性,流速及び酢酸緩衝液のpHの影響などを調査し,更に使用した樹脂の特性について検討した.
これらのことからこの分析法における標準法は,C.D.Scottらの開発した従来法と比べて,1/10~1/20の分析時間であり,本分析法に用いた陰イオン交換樹脂の特性とともに,本分析法の多方面への有用性を認めた.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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