1978 年 27 巻 2 号 p. 81-84
グラファイト管を用いた無炎原子吸光分析法によるスズの定量法を検討した.共存物質による干渉は,水酸化ジルコニウム共沈法と簡易標準添加法により除去できた.試料(2~5)gを硝酸-過塩素酸を用いて湿式灰化した後,微アルカリ性で,水酸化ジルコニウムとスズを共沈させた.沈殿を東洋ろ紙No.5Aでろ過し,水洗後,残さを5%熱塩酸で溶解し,簡易標準添加法により,試料溶液中のスズ濃度を測定した.本法を清涼飲料水に適用した結果,回収率は(100~106)%,変動係数は2.3%であった.