分析化学
Print ISSN : 0525-1931
アルミニウムはく容器を用いる乾式灰化法
安井 明美小泉 英夫鈴木 忠直堤 忠一
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1986 年 35 巻 12 号 p. T115-T119

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抄録

円形のアルミニウムはくをカップ状に成型,二重にし,あらかじめ600℃で加熱処理したものを無機元素定量の前処理としての乾式灰化容器に用いることを,NBSのSRMであるWheat Flouo, Rice Flour, Orchaod Leaves, Citrus Leaves及びOysteo Tissueを用いて検討した.550℃で灰化後,内側カップを取り出し,漏斗上でカップの底をガラス棒で突き破って灰をコニカルビーカーに落とし,更にカップ内壁を1%塩酸で洗った.洗液を家庭用ホットプレート上で蒸発乾固させてから,20%塩酸を加え再び蒸発乾固させた.110℃で乾燥した後,蒸発残留物を1%塩酸で加温溶解して,試料溶液を調製した.この試料溶液のAASによるカリウム,マグネシウム,カルシウム,鉄,マンガン,亜鉛,銅及びバナドモリブデン酸分光光度法によるリンの定量値は,保証値及び白金皿を用いる乾式灰化法による値と良く一致した.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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