分析化学
Print ISSN : 0525-1931
高速く形波ボルタモグラムのピーク面積を用いた定量分析
青木 幸一前田 和伸徳田 耕一松田 博明長谷部 清
著者情報
ジャーナル フリー

1987 年 36 巻 7 号 p. 420-424

詳細
抄録

高感度かつ高速測定可能な高速く形波ボルタンメトリーは電極形状によらないベル型のボルタモグラムを示し,それとベースラインとで囲まれる面積は,く形波振幅に比例する.その比例定数は電流の次元を持つ.固体電極,特に生体内反応の検出器として用いられているカーボンファイバー電極により,K3Fe(CN)6の還元く形波ボルタモグラムを測定することによって濃度と面積の比例性及び定量限界を検討した.く形波振幅を変えることは,(1)装置上極めて容易であること,(2)ピーク電流は変わるがボルタモグラムの形状は変化しないこと,及び(3)ピーク面積に比例することから,本法はノイズの多い系又は微量定量分析にふさわしい方法の一つである.

著者関連情報
© The Japan Society for Analytical Chemistry
前の記事 次の記事
feedback
Top