分析化学
Print ISSN : 0525-1931
直接導入法によるエアロゾルの誘導結合プラズマ発光分析
粒子個数濃度の減少と粒径との関係
河口 広司鎌倉 勝善前田 英治水池 敦
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1987 年 36 巻 7 号 p. 431-435

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抄録

エアロゾルを直接ICPのプラズマに導入し,各粒子の発光に基づく目的元素の発光スペクトルを波高分析することにより,粒子中の成分量の分布を得る方法を既に発表した.ここでは組成が既知のエアロゾル(カルシウム化合物やガラスの粉末)をいったん金属容器(7l)中に入れ,そこから一定時間ごとにサンプリングし,粒子の個数濃度nの減少を測定した.粒径が一定ならば,log(n)と時間tとは理論的に直線関係が成立する.その傾きd log(n)/dtと粒子密度をパラメーターとして,粒径を理論的に計算し,実験的に得た粒径と比較したところ,良い一致が得られた.従って,組成が一定で密度が既知のエアロゾル粒子については,実験で得たd log(n)/dtから粒径が求められることが実証できた.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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