分析化学
Print ISSN : 0525-1931
硫酸2-ペリミジニルアンモニウムの熱分解を利用する同位体希釈質量分析法による硫黄の定量
渡部 和男大内 操
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1987 年 36 巻 7 号 p. T77-T80

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抄録

質量分析法による硫黄の同位体比測定のため,硫酸塩硫黄から二酸化硫黄の簡便な調製法を確立した.硫黄を硫酸2-ペリミジニルアンモニウムの沈殿として回収した後,真空中,450℃に5分間加熱して熱分解し二酸化硫黄を得た.確立した方法を鉄鋼に含まれる硫黄の同位体希釈定量に応用した.実際試料の場合,硫酸2-ペリミジニルアンモニウム沈殿の生成に先立ち主成分の鉄などを除去する必要があることが分かった.本法の精度は硫黄含有率が0.0014~0.019%の鉄鋼標準試料に対して相対標準偏差で5%以内であった.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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