1987 年 36 巻 7 号 p. T72-T76
熱水地質学における熱水化学反応挙動の研究に関連して,実験室的に高温高圧条件を設定し,鉄(III)-クロロ錯体水溶液のラマンスペクトルを測定した.得られたラマンスペクトルは,著者らが開発したPETEXPOLプログラムによりバックグラウンド補正した後,PETBNDFTプログラムによりバンドフィットを行った.その結果,100℃では鉄(III)-クロロ錯体として八面体と四面体の化学種が混在するが,300℃の溶液では完全にFeCl4-の四面体化学種になることが判明した.