1989 年 38 巻 5 号 p. 211-214
テトラブロモフェノールフタレインエチルエステル(TBPE・H)はpH4でTritonX-100(TX-100)と混合ミセル(TBPE・H+nTX-100)mを形成している.これに,疎水性の有機オニウムイオン(C+)が加えられると(C+・TBPE-)のイオン会合体が生成され,ミセルに可溶化する(イオン会合体のミセル抽出).ミセル抽出の平衡は式,(TBPE・H+nTX-100)m+C+〓(C+・TBPE-+nTX-100)m+H+,(n〓10)に従うものとし,各種アルキル基を持つアミン,アンモニウムイオン,ホスホニウムイオン,アルソニウムイオンなどのオニウムイオンについて,ミセル抽出平衡を検討した.オニウムイオンのミセル抽出性は水-クロロホルム系における抽出性と良い相関を示すことが分かった.