分析化学
Print ISSN : 0525-1931
フローインジェクション法によるゲンタマイシンの蛍光定量
久保 博昭黄 躍生木下 俊夫
著者情報
ジャーナル フリー

1989 年 38 巻 5 号 p. 215-217

詳細
抄録

ニンヒドリン及びフェニルアセトアルデヒドを用いFIA法によるアミノ化合物であるゲンタマイシンの蛍光定量法を確立した.反応試薬溶液としてニンヒドリン及びフェニルアセトアルデヒドの各々20mMを含むエタノール溶液,キャリヤー液として0.2M酢酸ナトリウム水溶液(pH11.5)を用い各々1.0ml/minで送液した.キャリヤー液流中に試料液を注入した後,キャリヤー液と反応試薬溶液を反応コイル(65℃)中で混和し,更に冷却コイル(5℃)を通過させた後,分光蛍光検出器(Ex380nm,Em480nm)を用いてゲンタマイシンを測定した.本法では,第二アミンであるプロリンは発蛍光せず,アンモニアはわずかに蛍光を示した.ゲンタマイシンは0.1~5.5μg/mlの範囲で直線の検量線を示し,相対標準偏差は0.55μg/mlに対して2.3%,5.5μg/mlに対して0.65%であった.

著者関連情報
© The Japan Society for Analytical Chemistry
前の記事 次の記事
feedback
Top