分析化学
Print ISSN : 0525-1931
ブロモクレゾールパープルと第四級アンモニウムイオンの変色反応を利用するエタノールの吸光光度定量
山本 幸市本水 昌二
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1991 年 40 巻 8 号 p. 401-405

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抄録

酸性染料ブロモクレゾールパープルはpH8付近の水溶液中,長鎖アルキル基を持つ第四級アンモニウムイオンと反応し,青色から淡黄色へと変化する.しかし,あらかじめアルコールが存在すると変色反応は阻害される.このことをエタノールの定量に利用した.検量線はバッチ法では直線とはならないが,FIA法では60%(v/v)まで直線、性を示した.FIA法においてエタノール4,20%(v/v)の5回の繰り返し実験の相対標準偏差はそれぞれ1.5%,0.2%であり,毎時約35サンプルの測定が可能であった.本法は酒類(しょうちゅう)中のエタノールの迅速・簡便な定量法として用いることができる.

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© The Japan Society for Analytical Chemistry
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