1991 年 40 巻 8 号 p. 401-405
酸性染料ブロモクレゾールパープルはpH8付近の水溶液中,長鎖アルキル基を持つ第四級アンモニウムイオンと反応し,青色から淡黄色へと変化する.しかし,あらかじめアルコールが存在すると変色反応は阻害される.このことをエタノールの定量に利用した.検量線はバッチ法では直線とはならないが,FIA法では60%(v/v)まで直線、性を示した.FIA法においてエタノール4,20%(v/v)の5回の繰り返し実験の相対標準偏差はそれぞれ1.5%,0.2%であり,毎時約35サンプルの測定が可能であった.本法は酒類(しょうちゅう)中のエタノールの迅速・簡便な定量法として用いることができる.