微量フェノール類の分析は高分子工業のみならず,工場廃水問題の上から近年特に重要となり,比濁法および種々の吸光光度法が研究された.そのうちp-ニトロアニリン法,ニトロソ化法,4-アミノアンチピリン法の光電比色分析への応用につき,各種フェノール類を用いて検量線の側より比較検討した.それぞれ517,420,517mμの波長フィルターを用いたが,2ppm以下では4-アミノ法が,フェノール混合物の分析についてはニトロソ化法,操作の容易さの点ではp-ニトロアニリン法が優れていることがわかった.さらに4-アミノ法については0~50ppmの濃度範囲でも試薬濃度を10%とすれば充分分析でなることを知った.従って精度,迅速の両面から総合すると4-アミノ法が水中微量フェノール分析法として最も適している.