日本物理学会誌
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分子骨格と吸着構造が生み出す新奇な近藤効果(最近の研究から)
南谷 英美塚原 規志金 有洙高木 紀明
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2013 年 68 巻 3 号 p. 162-166

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抄録
代表的な量子多体効果の一つ,近藤効果が現れる興味深い物質群として金属表面上の分子が挙げられる.最近,我々はAU(111)面上の鉄フタロシアニン分子でスピン自由度と軌道自由度が絡み合った珍しい近藤効果が生じていることを発見した.さらにその由来が,分子骨格と吸着構造が合わさって生じる局所的な対称性であることを明らかにした.これらの結果は,表面において,吸着分子の特徴を活かした新奇な多体電子状態・スピン状態を作りうる可能性を示している.
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© 2013 一般社団法人 日本物理学会
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