抄録
寒冷凝集素症(cold agglutinin disease:CAD)は自己抗体である寒冷凝集素(CA)により溶血性貧血を呈する希少血液疾患であり、指定難病の自己免疫性溶血性貧血の一種となる。
これまでCADの効能または効果で承認されている治療法はなく、寒冷回避によって管理されることが多い。重度の貧血が認められる場合は輸血が行われる。
本剤は、CAD患者の溶血抑制を目的とした国際共同第Ⅲ相臨床試験において有効性および安全性が確認されたことから、「寒冷凝集素症」を効能または効果として2022年6月に承認された。また、本剤は我が国および米国において希少疾病用医薬品の指定を受けている。