日本物理学会誌
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超高真空電子顕微鏡による表面観察
八木 克道高柳 邦夫谷城 康真
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1982 年 37 巻 12 号 p. 994-1002

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抄録

超高真空技術の進歩に伴って広く行われるようになった表面研究は, 1970年代から多様な研究手法の開発と相まって, 基礎データが蓄積され, ミクロな立場から表面現象を理解しようとする物性研究者の多大な関心を集めている. 最近発展しつつある研究手法の中で広く関心が集まっているのが表面顕微法である. 従来の手法が測定表面全体での平均的な情報を与えるのに対して, この手法は高い空間分解能で, どこで何がどのようにおこっているのか, まさに目にものを見せてくれるからである. これによって, 表面構造や表面現象の不均一性等, これまで遅れていた表面研究の"一面"に光があてられたと言えよう. 本稿では, 表面顕微法および物理的に興味のある観察結果についてわれわれの成果を中心に紹介する.

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