高温・高圧下でのみ成長が可能と考えられていたダイヤモンドが, 準安定相である低圧下でも成長させうることが明らかになった. 高圧下の成長で得られるダイヤモンドはほとんど粒子状であるが, 低圧下の気相成長法では膜状のダイヤモンドが成長する. これは基礎研究だけでなく応用面でもきわめて重要である. 比較的簡単な装置を用い, ダイヤモンド薄膜が数μm/hの成長速度で得られることが多くの研究者の興味を引いている. 準安定状態での成長には, 水素原子とある種の励起状態にある炭素の存在が重要であるといわれているが, 結晶核発生及び成長機構にはまだ不明な点も多い.