b・クオークは1977年にアメリカのL. レーダーマンたちにより発見され, 既に10年以上になる. この間に多くの研究がなされ, b・クォークの性質はかなり解ってきた. 従って,「いまさらb・クォークの研究をしても何も解らないのではないか?」というのはもっともな疑問である. にもかかわらず, b・クォークの研究が, 今, 多くの研究者の注目を集めている. そして, Bメゾンを大量に作り出し, b・クォークの研究を専門に行うための施設,「Bファクトリー」, の建設計画が世界各地の素粒子実験研究所で真剣に検討されている. 日本においても高エネルギー物理学研究所においても, この計画が立案され, 同研究所の最優先の次期計画として取り上げられ, 日本における多くの素粒子実験研究者の支持を得て, 建設予算の申請をしている段階である. そこで, b・クォークの研究の重要性とBファクトリーの概要を以下に説明する.
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