著者所属:千葉大学理学部物理学科
1994 年 49 巻 8 号 p. 628-635
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原子核は非相対論的な核子の多体系として扱われてきた.しかし,ここ10年ほど,この伝統的アプローチとは全く異なる相対論的アプローチが,精力的に行われるようになった.原子核を相対論的に扱うと,基底状態近傍でも,相対論的効果が本質的に重要な働きをするという予想外の結果になる.この解説では,核物質の飽和性と有限核中での核子の一体ポテンシャルを例に取り,相対論的効果が重要になる機構を明らかにする.また,電子散乱のクーロン和則で問題になっている電荷消失についても,相対論的模型により考察する.
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