日本物理学会誌
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WIMP 探索のための液体キセノンシンチレーション検出器
鈴木 聡
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1998 年 53 巻 3 号 p. 181-188

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抄録

WIMP(Weakly Interacting Massive Particleの直接探索実験は, 検出器の大質量化あるいは検出エネルギーのしきい値を下げることに伴って増加する, 放射線バックグランドとのまさに戦いである. 液体キセノンの直接蛍光と比例蛍光を同時に観測できるような検出器を用いた場合, WIMPとの弾性散乱によって生じたキセノン反跳核とγ線等に起因する電子による信号との識別が可能となり, 検出感度を飛躍的に向上させることが期待できる. ここでは, その検出器の原理と基礎実験の結果を示し, 更に低いエネルギーに対して検出感度を上げるために, 現在進めている新しい方法を紹介する.

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