イオンの光電離過程の研究は多電子原子系の電子構造を解明するのに有力な手段であるが, 実験はほとんど行われていない. 我々は光・イオンビーム合流装置を用いて, Ba+ Eu+, Seq+(q=1-3)イオンの4d光電離スペクトルの測定を行った. 4d巨大共鳴ピークがすべての標的イオンで観測された. Xeq+の場合, qが増加しても巨大共鳴ピークはその位置および幅をほとんど変えずに残っていることがわかった. これは中性原子の巨大共鳴を説明するのに有力であった1電子近似に基づくf波動関数のコラプス(collapse)では説明できない, 新しい現象である.