現在, オゾン層の急激な破壊がグローバルに進行しつつあり, 深刻な地球環境問題となっている. オゾン層の破壊は, 特に南極域の高度10~25km付近の下部成層圏で著しいが, 地球大気中でのオゾンの生成と消滅のメカニズムを明らかにするには, 下部成層圏だけではなく, その上に広がる上部成層圏, 中間圏を含んだ広い高度領域の観測が必要である. 宇宙科学研究所では, これまでゴム気球に搭載された電気化学オゾンゾンデ, 高高度気球, 気象ロケットによる分光計型観測器によるオゾン密度の測定を行ってきた. ここでは大気オゾンの観測方法, 測定原理, 観測結果, 及び将来観測計画を紹介する.
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