日本物理学会誌
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紫煙を固めたような物質で粒子を識別する
住吉 孝行
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1998 年 53 巻 9 号 p. 690-695

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抄録
シリカエアロジェルは二酸化硅素がシロキサン結合で3次元的にネットワークを組んだ微細な海綿状の構造を持ち, 非常に低密度かつ低屈折率(n=1.02~1.06)の透明な固体である. この特殊な屈折率を利用して, Cherenkov光の発生の有無により素粒子・原子核反応で発生した粒子の識別をすることができる. 最近新たなシリカエアロジェルの製法が考案され, 更に低屈折率かつ高透過率の物が作れるようになったことから, 粒子識別能力が大きく改善した. 特に多くの実験で要求されるπ中間子とK中間子の識別に関しては, これまでは困難とされてきた3.5GeV/cの運動量領域まで高い分離能力が確認されている.
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