日本物理学会誌
Online ISSN : 2423-8872
Print ISSN : 0029-0181
ISSN-L : 0029-0181
超新星と宇宙線陽子の加速(最近の研究から)
福井 康雄
著者情報
ジャーナル フリー

2004 年 59 巻 5 号 p. 308-311

詳細
抄録

銀河系宇宙線の主成分である陽子が超新星残骸において加速されているかどうかという問題は,現在まで大きな興味を持たれてきた.我々は一酸化炭素分子輝線を用いた星間分子雲の広域観測を行い,太陽系から約1 kpc の距離にあってTeVガンマ線超新星残骸G347.3-0.5と相互作用している分子ガスの存在を明らかにした.これらの分子ガスと非熱的X線放射やTeVガンマ線との空間分布の相関は,超新星残骸と分子雲の相互作用が陽子加速の源である可能性を示唆するものである.

著者関連情報
© 社団法人 日本物理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top