千葉県農林総合研究センター研究報告
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長期貯蔵における焼きいもの食味関連成分の変化を踏まえたサツマイモ「べにはるか」の貯蔵温度管理
安藤 利夫飯嶋 直人家壽多 正樹
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2021 年 2021 巻 13 号 p. 9-18

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抄録
サツマイモ「べにはるか」の6か月以上の長期貯蔵における貯蔵温度が,焼きいもの食味関連成分に及ぼす影響を明らかにした.1. 貯蔵温度を13℃,15℃及び17℃の3温度帯を設けて,焼きいもの食味関連成分を比較したところ,貯蔵期間6か月では甘味の指標である甘味度はすべての貯蔵温度で基準値12を満たしていたが,肉質の指標である乾物中のデンプン含有率は貯蔵温度15℃でのみ基準値の26.3%に到達した.これらの結果から,十分な甘味を備え適度な肉質を維持できる長期貯蔵温度は15℃であることが明らかとなった. 2. 3月までの貯蔵温度を15℃として,4月以降の貯蔵温度を15℃,17℃及び冷却無とする3温度帯を設けて,焼きいもの食味関連成分を比較したところ,貯蔵期間を通して貯蔵温度を15℃とすることで貯蔵期間6か月までは甘味及び肉質の基準値を満たしたが,貯蔵期間8か月では肉質の基準である乾物中のデンプン含量が基準値を下回った.これらの結果から,貯蔵期間が8か月に長期化すると,貯蔵期間中の温度変化をなくして,15℃を維持しても過粘質は避けられないことから,貯蔵期間が6か月程度である5月中には出荷を完了させることが望ましいことが示唆された.
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