CAMPUS HEALTH
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原著論文
コロナ禍の学生支援における利用者動向
―Web相談受付フォーム導入後1年経過時の報告―
緒方 敦子面高 有作松田 優里奈松尾 寿栄佐藤 武丸山 徹
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ジャーナル オープンアクセス

2022 年 59 巻 2 号 p. 63-69

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抄録

九州大学は来談及び対面での面談が困難な状況下で,一括して受付可能な「Web相談受付フォーム」(以下,フォーム)をHP上に設置した。本研究では,フォームを導入した2020年度における支援対象学生の動向について報告し,コロナ禍の学生支援におけるコーディネーターの在り方とその意義について考察を加えた。対象は,2020年度にコーディネート室(以下,CN室)を利用した学生706名とした。また,2018年度と2019年度にCN室を利用した学生667名を比較対象とした。CN室の利用状況の推移を見ると,2020年度は2018年度及び2019年度よりも利用者が激増し,自発利用者の割合が11%(2018年度,2019年度)から53%(2020年度)と例年の約5倍に増えた。また,CN室が支援者や関係者の間で調整的な役割を担うことで,学生に対し複数の支援を同時に提供することが可能であることも明らかとなった。このような変化から,CN室では学生支援において学生の状態把握や支援方針の決定を行っていることが示唆された。このようなコーディネート機能は,学生の状態が見えづらいコロナ禍において,支援者間の連携を促進させ,学生に対して適切な支援を提供する上で重要な役割を果たすことが考えられた。

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© 2022 全国大学保健管理協会
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