腫瘍組織の水浸出液を透析して, 透析物中にトキソホルモン作用を有する物質が存在すること, および従来得られた非透析性のトキソホルモン濃縮物を酵素的に分解すると, 同様の可透析性トキソホルモン作用を有する物質が得られることを見出した。
可透析性のものがトキソホルモンの基本型であり, 非透析性のものはこの基本型の集合した, あるいは他の物質と結合した型であるまいかと考えられる。Greenfield-Meister の非透析性トキソホルモン濃縮物を塩酸水解してもなお効力を失わないという成績は, これによつて説明出来る。