1954 年 45 巻 4 号 p. 637-642
2-Acetylaminoflourene (AAF) あるいは p-Dimethylaminoazobenzene (DAB) を白鼠に与え実験的肝癌生成過程における肝ロダネーゼの活性度を測定した。
初期の病変を示す肝ロダネーゼ活性度は正常肝に比し大差が認められなかったが, 硬変を呈した肝ロダネーゼはかなり低い活性度を示した。さらに癌化した肝のロダネーゼは正常肝の1/8~1/12程度を示すにすぎなかった。
活性度の最高を示す酸度が肝の病変に応じて酸性域に移動した事実から肝癌生成過程における白鼠肝ロダネーゼは量的並びに質的に変化することを暗示している。