Print ISSN : 0016-450X
Xanthene 色素による発癌実験
梅田 真男
著者情報
ジャーナル フリー

1956 年 47 巻 1 号 p. 51-78_3

詳細
抄録

食用色素の問題に関しては現今癌の問題と関連して世界各国において, その重要性の声が高まって来た。現在日本において有毒色素の系列に属するローダミンBはしばしば飴, でんぶ, 紅しようが, 生菓子などの著色に用いられ問題の対称となっている。また化粧品の分野においてはローダミンB, エオシン, エリスロシンなどは, 口紅, 舞台用顔料などに用いられている。
今回の実験に用いた色素は, (1) Rhodamine B, (2) Rhodamine 6G, (3) Fluorescein Sodium, (4) Eosine yellowish, (5) Rhodamine 3G, (6) Fluorescein, (7) Erythrosine, (8) Violamine R等で, 皮下反復注射の結果, ラッテの皮下に(1)~(4)の場合に, 皮下肉腫を生成せしめた。
このように食用色素としてしばしば用いられ, また化粧品の色素として用いられている色素が発癌するという事実は, 癌と色素との問題において将来何等かの意義があるのではないかと思われる。

著者関連情報
© 日本癌学会
前の記事 次の記事
feedback
Top