Print ISSN : 0016-450X
担癌動物のポルフイリン代謝肝, Harderian 腺, 尿中の遊離ポルフイリン量とこれに及ぼすトキソホルモンの影響
小野 哲生梅田 真男杉村 隆
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1956 年 47 巻 2 号 p. 171-180

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抄録

担癌動物ではヘモ蛋白 (血色素, 肝カタラーゼ等) の合成障害から体内に遊離ポルフイリンが増加すると予想され, 前報ですでに貧血にともなって血球内の遊離ポルフイリンの増加を報告した。その後各臓器内及び尿中排泄ポルフイリン量について検討を加えた。
結果は予想と一致して, 担癌ラッテの肝プロトポルフイリン, 尿中コプロポルフイリンともにかなりの増加を示し, トキソホルモン投与ラッテでも肝プロトポルフイリンの増加を認め得た。Harderian 腺内のプロトポルフイリンは複雑な様相を呈して一定の傾向は得られなかなった。
さらに担癌, トキソホルモン注射ラッテの肝プロトポルフイリン分劃, “Green porphyrin” 分劃さらに尿よりのコプロポルフイリン分劃中には各ポルフイリンの他に493mμで吸光を示す物質が検知されたが, このものの本態はまだ確定に到ってない。

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