1) 吉田肉腫の腹水の核酸濃度と細胞1個あたりの平均核酸含量を化学的定量法によって測定した。吉田肉腫の正常増殖過程においては核酸濃度は個体によって著しい差があるがほぼ経過とともに増加し末期では増加しない。細胞1個あたり平均核酸含量はDNA-P, RNA-Pともに軽度の減少を示す傾向はあるがほとんど差がないとみなし得る。
2) X-線500r全身照射後の値を測定するに核酸濃度はDNA-P, RNA-Pともに照射後24時間で著しい減少を示した。細胞1個あたり平均核酸含量は細胞が破壊せられていない限りにおいてはDNA-P量には変動はみられずRNA-P量は軽度に増加しているようである。