Print ISSN : 0016-450X
48 巻, 1 号
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  • 三浦 貴士, 森 茂, 川本 溢雄, 永井 春三
    1957 年 48 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 1957/04/01
    公開日: 2008/11/14
    ジャーナル フリー
    1) 吉田肉腫の腹水の核酸濃度と細胞1個あたりの平均核酸含量を化学的定量法によって測定した。吉田肉腫の正常増殖過程においては核酸濃度は個体によって著しい差があるがほぼ経過とともに増加し末期では増加しない。細胞1個あたり平均核酸含量はDNA-P, RNA-Pともに軽度の減少を示す傾向はあるがほとんど差がないとみなし得る。
    2) X-線500r全身照射後の値を測定するに核酸濃度はDNA-P, RNA-Pともに照射後24時間で著しい減少を示した。細胞1個あたり平均核酸含量は細胞が破壊せられていない限りにおいてはDNA-P量には変動はみられずRNA-P量は軽度に増加しているようである。
  • 黒田 行昭, 田村 真二, 阿部 潔, 土井 金二
    1957 年 48 巻 1 号 p. 9-14
    発行日: 1957/04/01
    公開日: 2008/11/14
    ジャーナル フリー
    1. キイロショウジョウバエ (D. melanogaster) の2つのメラニン性腫瘍系統 v tu 及び st tu と非メラテン性腫瘍系統tu-hの化蛹第1日目の蛹の金属含有量の定量を行い, それぞれの対象系統v, st, 及び Oregon と比較した。
    2. メラニン性腫瘍系統v tu及び st tu ではそれぞれv及びstに比較して著しく多量の鉄及び銅が検出された。
    3. 非メラニン性腫瘍系統tu-hにおいても Oregon に比較して多量の鉄及び銅が検出された。
    4. ショウジョウバエにおける遺伝的腫瘍の形成と重金属及びトリプトファン代謝との関連が論議された。
  • 赤石 健一
    1957 年 48 巻 1 号 p. 15-38_2
    発行日: 1957/04/01
    公開日: 2008/11/14
    ジャーナル フリー
  • マウス自然発生乳癌の電子顕微鏡的研究
    鈴木 昭男
    1957 年 48 巻 1 号 p. 39-56_7
    発行日: 1957/04/01
    公開日: 2008/11/14
    ジャーナル フリー
    近年に至りC3Hマウス乳癌発生に際し重要な意義を有する乳因子が Virus 性の性格を示すことが種々の点から確認されてきている。著者はC3H及びDBA両系マウス乳癌細胞を超薄切して電子顕微鏡下に観察し, 両系乳癌細胞中に Virus と考えられる細胞内型及び細胞外型の二種の異常粒子を認めた他, 種々の非腫瘍形成 Virus の感染を示す細胞にしばしば認められる如き各種の変化乃至構造と酷似する電顕像を多数認めこれらについても記載及び考察を加えた。
    本研究の結果からすれば, 明らかに悪性腫瘍と考えられるC3H及びDBA両系マウス自然発生乳癌において認められる種々な変化乃至構造は他の各種の非腫瘍形成性 Virus 感染細胞に認められるそれらと全く電子顕微鏡形態学的には区別し得ず, 悪性腫瘍発生と Virus 感染との間に横たわる種々の問題を闡明する上にはなはだ興味ある事実と考えられる。
  • 梅田 真男
    1957 年 48 巻 1 号 p. 57-64
    発行日: 1957/04/01
    公開日: 2008/11/14
    ジャーナル フリー
    1956年にローマで癌の国際会議が開催され, 食品, 石鹸, 化粧品の製造や保存に用いられている色素や添加物の発癌性についていろいろと討論され, この問題が各国において重要視されている現在, 私は下記の6種類の食品添加物について, 発癌性の問題を研究した。
    以上の表の如く, アシツドバイオレット, オーラミン, サリチル酸ソーダ, 8-オキシキノリン硫酸塩の注射実験, 及びオーラミンG, サリチル酸の経口投与実験では, 動物に癌はできなかった。しかしオーラミンGは肝臓に変性を, またサリチル酸は脾臓の萎縮硬化を起した。現在種々の食品添加物について研究中である。これらの研究が癌と食生活の問題への寄与となれば幸と思う。
  • 福岡 文子, 杉村 隆, 酒井 純雄
    1957 年 48 巻 1 号 p. 65-72
    発行日: 1957/04/01
    公開日: 2008/11/14
    ジャーナル フリー
    抗癌性を有するキノン, キノリン誘導体の中代表的なものをえらび, エーリッヒ腹水癌細胞の嫌気的解糖におよぼす影響をしらべた。その結果, 抗癌性の強さと, 解糖阻害の強さとの間に, 密接な平行関係のある事実を見出すことができた。これらの結果を記載した。
  • 杉村 隆
    1957 年 48 巻 1 号 p. 73-75
    発行日: 1957/04/01
    公開日: 2008/11/14
    ジャーナル フリー
    担癌動物の肝タラーゼ活性低下, 血液ヘモグロビン濃度低下等にかんがみ, その成り立ちに関する研究の一端として, 肝フェリチン量を測定した結果, 顕著に肝カタラーゼ活性の低下した動物肝でもフェリチン量にはほとんど変化のない事実を見出した。
  • 杉村 隆, 小野 哲生
    1957 年 48 巻 1 号 p. 77-80
    発行日: 1957/04/01
    公開日: 2008/11/14
    ジャーナル フリー
    各種腫瘍組織について, アンペロメトリーを用いて, 非蛋白性 (酸溶性) SH基, 蛋白性SH基, さらに両者の-S-S-基を測定した。正常肝担癌動物肝についても実験を行い比較検討したが, 増殖の盛んな腫瘍組織にSH基または-S-S-基が多いということはなかった。またSH基を活性基として持つコエンチームAを酵素学的に測定し, 腫瘍組織には少いことを確かめた。
  • 杉村 隆, 小野 哲生
    1957 年 48 巻 1 号 p. 81-90
    発行日: 1957/04/01
    公開日: 2008/11/14
    ジャーナル フリー
    トキソホルモンのバイオアッセーに, 細菌を使う試みを研究している途次に, 腫瘍組織から得たO分劃 (アセトン粉末より, メタノール醋酸75°C2時間抽出, エーテルで沈澱させる) はかなり強い抗菌力のあることを見出した。一方トキソホルモンにメタノール, 醋酸抽出法を応用して得たTO分劃は, トキソホルモン作用は強いが抗菌性はみとめられなかったから, 両作用は別種の物質でおこる。
    O分劃は E. coli の生長を阻害するが, Proteus vulgaris の生長を阻害しない。またO分劃はグルコース, グルタメート, アラニン, アスパルテートを基質とした場合その酸素消費を抑制する。Proteus vulgaris の場合にはこのような事実も見出せない。O分劃によるE.coli の生長阻害及び酸素消費抑制はマグネシウム, カルシウム, アルミニウム等のイオン, RNA, DNAによって打消される。
    O分劃は E. coli の菌体に吸着し抗菌性を表わすものと考える。
  • 小野 哲生, 梅田 真男, 杉村 隆
    1957 年 48 巻 1 号 p. 91-100
    発行日: 1957/04/01
    公開日: 2008/11/14
    ジャーナル フリー
    前報において, 粗製のトキソホルモンをメタノール: 醋酸で抽出することにより, 核酸を含まず大部分 polypeptide よりなる分劃が得られ, しかも元の活性がほぼ完全にこの分劃 (TO-分劃) に回収されることを報告した。その後これをさらに次の操作により精製した。
    すなわち, ローダミン肉腫より得たTO-分劃を精製粉末セルローズ柱に吸着させ, 1/10N塩酸で溶出することにより1mgでカタラーゼ活性を生体内で低下せしめる分劃が得られた。また Murphy の lymphosarcoma のアセトン乾燥材料をメタノール: 醋酸で抽出し, あらかじめペプシンで消化してから, 上のセルローズ吸着をおこない, 0.5mgでも有効な分劃を得た。次にローダミン肉腫よりのTO-分劃をペプシンで消化しpHを弱アルカリ性としてから, 1/3容の飽和ピクリン酸溶液を加えたところ, 0.1~0.2mgで有効な peptide のピクリン酸塩が結晶として得られた。
    この結晶ビクラート中の peptide はチロヂン, トリプトファン, メチオニン, チスチンを除く各アミノ酸をふくみ, その最小単位は32のアミノ酸残基からなることが分った。またペーパークロマトで単一の Spot を示したが, さらに向流分配分析, partition chromato 等によりその均一性の検定と, より一層純化することを考えている。
  • 坂部 弘之, 小野 哲生
    1957 年 48 巻 1 号 p. 101-107
    発行日: 1957/04/01
    公開日: 2008/11/14
    ジャーナル フリー
    シリカをラッテ, モルモットの腹腔に入れ腹膜上に肉芽組織を作らせ, その代謝の様式を正常組織, 実験腫瘍と比較してみた。
    ラッテのシリカ結節の嫌気的解糖はローダミン肉腫には劣るが, 正常の筋, 肝よりは著しく高く, またモルモットのシリカ結節の嫌気的解糖は Croker Sarcoma より低いが筋, 肝のそれよりは高い。コハク酸酸化酵素の活性はラッテ, モルモットの各結節ともに正常組織より著しく低いが, 悪性腫瘍のそれを上廻っている。
    粉末石英, コロイドシリカ, 硅酸液のいずれも肝ホモヂエネート, ミトコンドリヤのコハク酸酸化酵素活性を試験管内では阻害しない。
    これ等の所見からシリコーシスと悪性腫瘍の関係に考察を加えた。
  • 1957 年 48 巻 1 号 p. 109-127
    発行日: 1957/04/01
    公開日: 2008/11/14
    ジャーナル フリー
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