1958 年 49 巻 2 号 p. 85-95
ヂメチルアミノアゾベンゼン投与の鼠肝臓蛋白よりアミノアゾ色素-アミノ酸結合体の精製法 (第一報) を少し改良し, より高度の精製品を得た。クロマト法により, このものは, 酸性溶液でそれぞれ吸収の極大を, 522と514mμに有する二成分に分離できた。これらについて合成色素-アミノ酸結合体 (第二報) と種々の性質を比較した結果, 両者の間にはかなりの相違が認められた。天然の結合体についての推定構造は, チロシンを含むアミノ酸部分が色素のベンゼン核の3の位置に結合し, 4の位置の窒素は第一級および第二級アミンの混合であろうと推定される。