Print ISSN : 0016-450X
アミノアゾベンゼンの肝臓蛋白との結合に関する研究
第三報 天然アミノアゾ色素-アミノ酸結合体と合成アミノアゾ色素-チロシン結合体との性質の比較
寺山 宏草間 慶一照屋 桂子黒田 惣一郎中山 稔久
著者情報
ジャーナル フリー

1958 年 49 巻 2 号 p. 85-95

詳細
抄録

ヂメチルアミノアゾベンゼン投与の鼠肝臓蛋白よりアミノアゾ色素-アミノ酸結合体の精製法 (第一報) を少し改良し, より高度の精製品を得た。クロマト法により, このものは, 酸性溶液でそれぞれ吸収の極大を, 522と514mμに有する二成分に分離できた。これらについて合成色素-アミノ酸結合体 (第二報) と種々の性質を比較した結果, 両者の間にはかなりの相違が認められた。天然の結合体についての推定構造は, チロシンを含むアミノ酸部分が色素のベンゼン核の3の位置に結合し, 4の位置の窒素は第一級および第二級アミンの混合であろうと推定される。

著者関連情報
© 日本癌学会
前の記事 次の記事
feedback
Top