Print ISSN : 0016-450X
49 巻, 2 号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • Hans von Euler
    1958 年 49 巻 2 号 p. 69-78
    発行日: 1958/06/30
    公開日: 2008/11/14
    ジャーナル フリー
  • 第二報 アゾ色素-アミノ酸結合体の合成
    草間 慶一, 寺山 宏, 照屋 桂子
    1958 年 49 巻 2 号 p. 79-84
    発行日: 1958/06/30
    公開日: 2008/11/14
    ジャーナル フリー
    絹フィブロインにアミノアゾベンゼンをホルマリンを用いて結合させ, 生じたアミノアゾ色素結合フィブロインをアルコール性アルカリで加水分解した後, 抽出, 柱クロマトグラフ法等によりアミノアゾベンゼンチロシンの化合物を結晶状に調製した。この化合物の性質を, 可視, 紫外および赤外線吸収スペクトル, 元素分析, 亜硝酸との反応, フォリンのフェノール試薬等で調べた。その結果この化合物の構造は次の如く決定した。
  • 第三報 天然アミノアゾ色素-アミノ酸結合体と合成アミノアゾ色素-チロシン結合体との性質の比較
    寺山 宏, 草間 慶一, 照屋 桂子, 黒田 惣一郎, 中山 稔久
    1958 年 49 巻 2 号 p. 85-95
    発行日: 1958/06/30
    公開日: 2008/11/14
    ジャーナル フリー
    ヂメチルアミノアゾベンゼン投与の鼠肝臓蛋白よりアミノアゾ色素-アミノ酸結合体の精製法 (第一報) を少し改良し, より高度の精製品を得た。クロマト法により, このものは, 酸性溶液でそれぞれ吸収の極大を, 522と514mμに有する二成分に分離できた。これらについて合成色素-アミノ酸結合体 (第二報) と種々の性質を比較した結果, 両者の間にはかなりの相違が認められた。天然の結合体についての推定構造は, チロシンを含むアミノ酸部分が色素のベンゼン核の3の位置に結合し, 4の位置の窒素は第一級および第二級アミンの混合であろうと推定される。
  • 第四報 種々のアミノアゾ色素をゾンデ投与した際の蛋白結合色素の量とその性質
    寺山 宏, 草間 慶一, 青木 孝好
    1958 年 49 巻 2 号 p. 97-103
    発行日: 1958/06/30
    公開日: 2008/11/14
    ジャーナル フリー
    50mgのDAB, MAB, ABおよびAATを2ccのプロピレングリコールに溶かしたものを鼠の肝臓にゾンデで直接に注入したのち, 肝臓蛋白質と化学的に化合した色素の量の時間的変化ならびにその結合の化学的様式について研究した。いずれの場合にも投与後3日目位で極大値に達し, それ以降は徐々に結合量は減少する。結合した色素量はDABの場合が最も多く, MAB, ABの順に減少する。AATの際にはほぼABに近い値を示すようである。DABおよびMABをゾンデで投与した場合は, 白米に低濃度 (0.06%) に混ぜて長期間飼育した際に見られる最大結合量の数倍もの結合色素が短時日の中にみられ, かつ結合色素は第二級アミノ基恐らく〔-N<HCH3〕をもったものが大部分であることが特長的である。
    DABを50mg宛3日置きに投与した場合も結合色素量は第一回投与後特に増大する傾向は示されず, ほぼ一回の投与で肝臓の極限量に達するものと思われる。
    種々な実験事実より, アミノアゾ色素に結合する蛋白質はかなり特異的なものであり, かつまたDABやMABのN-メチル基の代謝に由来するC1化合物 (恐らくフォルマリン) のみならず, 基本的正常な代謝に由来するC1化合物もまた, アミノアゾ色素と蛋白質との結合に関与することが予想される。
  • 寺山 宏, 照屋 桂子, 草間 慶一, 青木 孝好
    1958 年 49 巻 2 号 p. 105-112
    発行日: 1958/06/30
    公開日: 2008/11/14
    ジャーナル フリー
    AAT (オルトアミノアゾトルエン) を数カ月間白米に0.1%の割合に混じた飼料で飼育した際ラッテ肝臓中の蛋白質と化学的に結合する色素の量の時間的変化を調査したところ, 3カ月乃至4ケ月附近に極大値が存在することが分った。肝臓内で代謝されてフォルマリンを与えるようなN-メチル基をもたないAATがかように蛋白質と結合することは興味深い。
    絹フィブロイン中のチロシン残基にマンニッヒ反応を行わしてAATを結合さしたのち, これをアルコール性アルカリで加水分解したのちAAT-チロシン結合体を結晶状にうることができた。
    この合成AAT-ポーラーダイと天然ポーラーダイ (部分的精製) について, 若干の化学的性質の比較を行った。
  • 大西 孝之
    1958 年 49 巻 2 号 p. 113-123
    発行日: 1958/06/30
    公開日: 2008/11/14
    ジャーナル フリー
    正常白ネズミの肝臓, 肉腫をもった白ネズミの肝臓, 原発肝癌, 移植肉腫について lipid peroxide の形成能力を比較したところ, 担癌動物の肝臓では lipid peroxide の形成能力がかなり低下しており, さらに癌組織ではほとんど消失してしまっている。このような lipid peroxide の形成は正常肝臓と担癌動物の肝臓ではアスコルビン酸で促進されるが, 癌組織では促進されない。しかしいずれの場合もEDTAによって完全に抑制される。なおEDTAが存在しているとアスコルビン酸を加えてもその促進作用があらわれない。しかしEDTAによる抑制は亜鉛を加えることによって消失してしまうから, 亜鉛は lipid peroxide の形成に重要な役割をはたしているものとおもわれる。コバルト, 銅, マンガン, ニッケル, 鉄にはこのような作用がない。ただEDTAの存在していないときにかぎり, lipid peroxide の形成は鉄によって著しく高められることから, 鉄は未知の因子との協同作用でこのような促進効果をもたらすものと考えられる。
  • 一井 昭五
    1958 年 49 巻 2 号 p. 125-136
    発行日: 1958/06/30
    公開日: 2008/11/14
    ジャーナル フリー
    Ehrlich 腹水癌を移植したdd系マウスについて肝のトリプトファンペルオキシダーゼーオキシダーゼの活性度ならびにその適応的活性の増加を測定した。同時に白鼠のDAB肝癌生成過程における肝組織の同酵素の変化をも追求した。
    担癌マウスの活性は対称動物に比し明らかに増加の傾向が見られたが同時に測定したカタラーゼの活性度は著減していた。
    一方基質であるトリプトファンの注射による適応後の活性は担癌動物では正常のそれよりも低い値を示した。また基質注射後の適応的活性の増加を時間的に見ると担癌動物では注射後約1時間で最高値を示したが対称の正常動物では約5時間後に最高値に達した。すなわち担癌動物では適応が正常より明らかに短時間内に起っていた。この担癌動物における適応時間の短縮はヒスチヂン注射の場合にも見られた。
    この酵素活性の適応的増加は新酵素蛋白の合成によることが証明されているのでこの結果は癌の成長にともない肝酵素蛋白の動きが早くなっていることを暗示しているように思われる。
    一方DABによる白鼠肝癌生成実験の過程における病変肝の酵素活性は硬変肝では正常肝の2/3であり肝癌では1/6を示すに過ぎなかった。しかし硬変肝でも基質およびヒスチヂンに対する適応力は正常肝と同程度に持っていた。さらに肝癌でも基質あるいはヒスチヂンの注入によってその活性が数倍の増加を示した。
  • 遠藤 英夫, 杉浦 兼松
    1958 年 49 巻 2 号 p. 137-149
    発行日: 1958/06/30
    公開日: 2008/11/14
    ジャーナル フリー
    Trocar 法により, allyl 化合物85種 (遠藤合成) の mouse tumor 15種に対する制癌作用を試験した。約6mgの tumor 片をマウスの右腋下皮下に移植し, 翌日より連続7日間, 薬剤の生食溶液 (あるいは carboxymethyl cellulose の suspension 液) 0.5ccを腹腔内に注射した。制癌成績は薬剤注射終了日およびさらに1週間後に caliper にて tumor size を測り観察した。
    SK 14,632 2-allylimino-1,3,4-thiadiazoline HClが制癌作用もっとも強く, tumor size が対照の1/4程度のものが7; 1/2程度のものが7あった。
  • 遠藤 英也
    1958 年 49 巻 2 号 p. 151-156
    発行日: 1958/06/30
    公開日: 2008/11/14
    ジャーナル フリー
    癌原性および非癌原性の7種の Nitroquinoline N-oxide (N-oxide を欠くもの一種, と Pyridine 誘導体一種を含む) についてそのニトロ基のSH化合物に対する交換反応活性度を測定したところ癌原性発現と活性度との間に一定の関係のあることが見出された。
    また同一の条件でそのニトロ基のアミノ酸, ヌクレオチド, 及び核酸に対する反応性を観察したが, 反応は陰性であった。
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