2020 年 32 巻 1 号 p. 52-57
目的:日本医科大学武蔵小杉病院におけるSymfonyとFINE VISION挿入症例の術後成績の比較検討. 方法:2014年6月~2019年7月に, 日本医科大学武蔵小杉病院にて白内障手術を施行され, Symfonyを使用した症例45名71眼と, FINE VISIONを使用した症例51名83眼の術後1カ月後における裸眼および矯正での遠方 (5m) ・中間 (60cm) ・近方 (33cm) の視力, コントラスト感度, 焦点深度曲線を測定し, 満足度調査を行った. 結果:Symfonyの裸眼視力平均値は近方0.31 (0.49), 中間-0.14 (1.36), 遠方0.03 (0.94) で, FINE VISIONは近方0.16 (0.70), 中間0.12 (0.75), 遠方-0.02 (1.05) であった (logMAR (小数視力)). 近方はFINE VISIONが, 中間はSymfonyが良好であった (p<0.05). コントラスト感度は, Symfonyは全視覚において40歳以下の基準内に収まっていたが, FINE VISIONは高周波領域において低下傾向を示した. 結語:近方はFINE VISIONが視力良好であり, 遠方から中間はSymfony, FINE VISIONともに良好であった.