日本白内障学会誌
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巻頭言
日本白内障学会学術賞(基礎)
  • 石田 秀俊
    2025 年37 巻1 号 p. 7-10
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/07/23
    ジャーナル フリー

    白内障の発症には酸化・糖化ストレスが関与し,水晶体の抗酸化酵素(Catalase,Prdx6など)の低下が活性酸素の蓄積を促し,白内障を進行させる.また,糖化ストレスによるAGEs蓄積も白内障を悪化させる要因である.本研究では,白内障の一つである加齢白内障メカニズムを解明すべく,遺伝性白内障モデル動物Shumiya Cataract Rat(SCR)を用い,遺伝子発現解析を実施した.SCRでは白内障発症に関連する遺伝子(Hsf4,Tdrd7など)の発現低下が確認された.さらに,抗酸化・抗糖化作用をもつルテイン+ヒシエキス(LU+TBE)の白内障抑制効果をSCRで検討し,水晶体混濁の進行が抑制され,抗酸化酵素の発現が増加することや,AGEs蓄積も抑制され,白内障進行遅延に有用である可能性が示された.

総説
《特集 1》白内障学会シンポジウム「水晶体の新しい臨床を語ろう」
《特集 2》水晶体研究会シンポジウム「水晶体の創薬を語ろう」
《特集 3》合同シンポジウム「水晶体の新しい知見を語ろう」
原著
  • 渡邊 一平, 椋野 洋和, 吉田 友佳子, 松野 裕樹, 廣瀬 美樹, 島田 由布, 山中 弘光
    2025 年37 巻1 号 p. 85-90
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/07/23
    ジャーナル フリー

    目的:眼内注入時の分散型眼粘弾剤の形状の違いとその要因を把握すること.方法:人工水晶体を設置させた模擬眼内に,3%ヒアルロン酸および4%コンドロイチン硫酸との配合剤(HA/CS配合剤)を注入し,眼内挙動をdigital microscopeで評価した.以下の条件に応じたHA/CS配合剤の形状を評価した:核硬度の異なる人工水晶体,Zinn小帯断裂した人工水晶体,針向き,HA/CS配合剤の追加注入.結果:注入されたHA/CS配合剤の形状は,線状と塊状の2パターンが観察された.針先端に物理的な障壁がない場合,HA/CS配合剤は線状に排出された.一方,HA/CS配合剤を水晶体などに向けて注入した場合やあらかじめ眼内に注入したHA/CS配合剤に向けて再度注入した場合,HA/CS配合剤は塊状で排出された.人工水晶体の核硬度の違い,Zinn小帯断裂の有無は,HA/CS配合剤の排出形状の違いには影響しなかった.結論:眼内に排出されるHA/CS配合剤の形状には二つのパターンがあることを証明した.HA/CS配合剤の排出形状の相違は,注入時の物理的な要因に影響する可能性が示唆された.

  • 中澤 洋介, 小林 亮太, 石橋 真紀, 遠藤 伸, 落合 秀治, 多胡 めぐみ
    2025 年37 巻1 号 p. 91-95
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/07/23
    ジャーナル フリー

    近年のペットブームによりイヌやネコをはじめとした愛玩動物が増加しており,これらを対象としたサプリメントには大きなニーズが存在している.種々動物を標的とした医薬品やサプリメントは,同種から樹立された細胞を用いて主作用や副作用を検討することが必要である.本研究では,Kanemakiらによって樹立されたイヌの水晶体上皮細胞株(canine lens epithelial cells:cLECs)がイヌ用医薬品やサプリメント創製のin vitroスクリーニング実験系としての使用の有用かどうかを検討することを目的とした.ヘスペレチンは,cLECに対して200 μMでも細胞死認められず,また亜セレン酸ナトリウムで誘導された細胞死は,100 μM以上のヘスペレチンで抑制効果が認められた.ヘスペレチンの水晶体保護効果は既報のヒト水晶体上皮細胞株(iHLEC-NY2)に対する濃度が異なることが明らかとなり,iHLEC-NY2とcLECsでは異なる性質示すことが示唆され,種差を意識した研究開発をする必要性が示唆された.

  • 小野 喬, 向坂 俊裕, 森 洋斉, 子島 良平, 岩崎 琢也, 宮田 和典
    2025 年37 巻1 号 p. 96-100
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/07/23
    ジャーナル フリー

    目的:短眼軸眼における白内障手術による角膜内皮細胞密度減少率の検討.対象と方法:2015~2023年に宮田眼科病院で白内障手術を行い,1ピース眼内レンズを挿入した症例を対象とした.眼軸長に基づいて患者を4群(<22,22~24,24~26,26≦mm)に分類し,診療録より後ろ向きに年齢,前房深度,角膜屈折力,術前および術後3カ月における角膜内皮細胞密度(ECD)と減少率を検討した.結果:2,908眼2,908人(年齢:72.2±9.6歳)が対象となり,眼軸長が<22,22~24,24~26,26<(mm)の各群は139,1,737,753,279眼であった.<22mmの短眼軸眼における術前のECDは,24~26mmの群よりも有意に低かった(p=0.025).短眼軸眼におけるECD減少率は8.5±11.0%であり,他の3群よりも有意に高かった(すべてp<0.01).多変量解析で眼軸長はECD減少率に有意に関連した.結論:短眼軸眼では,白内障手術によって角膜内皮細胞が減少しやすい.

  • 澤野 宗顕, 永田 万由美, 松島 博之, 妹尾 正
    2025 年37 巻1 号 p. 101-105
    発行日: 2025年
    公開日: 2025/07/23
    ジャーナル フリー

    目的:単焦点眼内レンズ(以下,IOL)と多焦点IOLの間をつなぐ,enhanced monofocal IOL(EM-IOL)が上市され3年が経過した.EM-IOLの2製品について術後満足度の特性を検討した.方法:Johnson & JohnsonのDIV00V(Eyhance)が挿入された53例,平均年齢75.42±6.24歳,平均目標屈折値−0.06±0.14 D,HOYAのXY1-EM(Impress)が挿入された32例,平均年齢75.84±6.30歳,平均目標屈折値−0.09±0.15 Dに対し,術後3カ月目の遠方,中間,近方,夜間の満足度を調査した.結果:両IOL挿入眼ともに高い満足度を示していたが,近方に関してはXY1-EM挿入眼の満足度が有意に高かった(p=0.038).結論:Enhanced monofocal IOLでも満足度特性は異なる可能性があり,患者個々の術後生活に合わせたIOL選択で満足度を高められる可能性がある.

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