脳循環代謝(日本脳循環代謝学会機関誌)
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クモ膜下出血における早期脳損傷の役割~新しい治療ターゲット~
長谷川 雄鈴木 秀謙植川 顕河野 隆幸倉津 純一光山 勝慶
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2014 年 25 巻 2 号 p. 123-128

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抄録

クモ膜下出血(subarachnoid hemorrhage; SAH)を発症すると,生命の危険に陥るだけではなく,重篤な後遺症を残すこともある.予後改善のためにSAH 後亜急性期に生じる脳血管攣縮が以前より研究され,様々な治療が試みられてきたが,形態的に攣縮が軽減しても予後改善が得られないことがわかってきた.近年SAH 後72時間以内に生じる脳圧上昇を主体とした早期脳損傷(early brain injury; EBI)という概念が,新たな予後規定因子として注目されている.今後SAH 後EBI の病態が解明され,それを軽減し得る治療薬が臨床で使用されるようになれば,SAH 患者の予後改善に貢献するであろう.以前より我々はSAH 後EBI の治療において,実験的に様々なアプローチを行ってきた.本稿ではSAH 後EBI について,トランスレーショナルリサーチを目的とした基礎実験の手法を中心に概略的に紹介する.

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© 2014 日本脳循環代謝学会
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