もやもや病は,原因不明の進行性脳血管閉塞症であり,内頸動脈終末部を中心として狭窄や閉塞性変化をきたし,側副血行路として脳底部などに異常血管網(もやもや血管)が形成される疾患である.特定疾患に指定されており,診断基準は明確にされている.現在でも脳血管撮影がゴールドスタンダードであるが,MRI 診断機器の発展に伴って診断精度の高い特徴的な所見がみつかってきている.とくに,脳底部シルビウス槽のflow void の増加や中大脳動脈水平部のflow void の縮小は特徴的である.また,微小脳出血や軟髄膜のivy sign なども特徴的所見として認識されている.一方で,T2*強調像における皮質下低信号やFLAIR での分水界領域の白質病変なども補助的な診断所見として注目に値する.脳循環代謝評価としては,arterial spin labeling の発展が,術後評価に貢献していることは論を待たない.今後は,より病態生理解析に迫り画像解析を進めていきたい.