2020 年 76 巻 6 号 p. II_365-II_373
低平地の持続可能性を考える上で,水利用と災害の危機管理の均衡は世界的課題である.
本研究は2019年8月の豪雨災害を対象とし,中学生の災害体験に基づく制作や交流活動を通じて,防災意識の向上を図り,SDGsの目標11の防災面について校区を含む低平地の改善課題を発信した.そこには人間性の育成,関係性やつながりの尊重というESDの観点を導入した.
学校行事に向けた本開発では,学習領域と学習方法による「学習構成表」を使って流域学習の延長とした.アンケート調査からは防災意識の向上と,防災面からの持続可能なまちづくりへの意欲が認められた.
本研究は,SDGsに含まれた持続可能なまちづくりの防災面に向け,低平地の豪雨災害と教育現場を結ぶ概念導入と,学際的・総合的な学習構成表によるESDプログラムの事例である.