脳循環代謝(日本脳循環代謝学会機関誌)
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脳梗塞におけるケモカインRANTESについて
寺尾 聰
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キーワード: ケモカイン, RANTES, CCL5, 脳梗塞
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2017 年 28 巻 2 号 p. 327-331

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抄録

ケモカインは白血球などの遊走を促して炎症形成に関与するサイトカイン群で,その一つRANTES(別名CCL5)は一般的にはT細胞・血小板・マクロファージ・内皮細胞などから分泌され,受容体CCR1, CCR3, CCR5を介してT細胞・単球などの遊走を促す.脳梗塞巣内では炎症性メディエーターの刺激でastrocyteやmicrogliaからもRANTESが産生され,炎症細胞の活性化や遊走に寄与する.また血管内では放出されたRANTESは血管内皮上のグリコサミノグリカンに沈着し,組織内へ炎症細胞を動員する「道しるべ」として機能する.一方で梗塞巣辺縁ではCCR3, CCR5を介してRANTESが神経保護的に作用するとの報告もあり,RANTESには神経障害的にも神経保護的にも働く多面性があると考えられる.その機能の解明が脳梗塞の新たな治療へつながると期待される.

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© 2017 日本脳循環代謝学会
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