脳動脈瘤の発生,増大,破裂機構を解明する研究において脳動脈瘤壁における炎症,とくにマクロファージの関与の重要性が報告され,炎症プロセスをターゲットとした治療法の開発が進められている.また,本邦の大規模コホート研究を含め脳動脈瘤の破裂に関与する因子解析が進められ,人種差,高血圧,年齢,脳動脈瘤の大きさ,くも膜下出血既往,脳動脈瘤の部位の各因子に重み付けを加えた破裂予測スコアが発表されている.最近の画像診断の進歩に伴い,脳動脈瘤壁の画像を用いて破裂のリスクを評価する研究,さらに,薬剤投与により脳動脈瘤増大,破裂を予防する臨床研究も進められており,今後,脳動脈瘤における増大破裂リスク予測の精度の向上が期待される.