脳循環代謝(日本脳循環代謝学会機関誌)
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動物実験におけるRI トレーサー法を用いる定量的脳循環評価法の開発
間賀田 泰寛
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2018 年 30 巻 1 号 p. 41-45

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抄録

脳梗塞などの脳循環疾患発症後の病態は,脳血流量(CBF),脳酸素摂取率(OEF),脳酸素代謝率(CMRO2)などの脳循環代謝パラメータの変化と密接に関連している.これらパラメータの測定には[15O]O2 ガスを用いた陽電子断層画像イメージング法(PET)が有用であるが,臨床では通常治療におわれPET を施行している余裕はない.そのため,脳循環疾患発症後の急性期での脳循環代謝状態を検討するためには,動物を用いた基礎検討が有効である.このような背景のもと,動物モデルで動物用PET 装置によりOEF やCMRO2 の測定を可能とする静脈内投与型[15O]O2 剤を開発するとともに,さらに,動物用SPECT 装置により,動脈採血することなく,定量的にCBF を評価することを目的として,[99mTc]HMPAO をトレーサーとする無採血定量的CBF 評価法を開発した.

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© 2018 日本脳循環代謝学会
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