Chem-Bio Informatics Journal
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バーチャルスクリーニングによる細菌RNAポリメラーゼを標的とした新規抗菌剤の探索
小野寺 賢司川崎 平康上條 俊介
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2011 年 11 巻 p. 52-62

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抄録
細菌RNAポリメラーゼを標的とする抗生物質は少なく、現在のところ、リファンピシンだけが治療薬として認可されている。しかしながら、細菌RNAポリメラーゼは菌の成長や生存に重要な酵素であり、新規抗菌剤の標的として有望である。よって、我々はバーチャルスクリーニングによる新規抗菌剤の探索を行った。バーチャルスクリーニングを行うにあたり、幅広い標的に対しHit化合物とされてしまうFrequent hitterの存在が問題となる。また、Hitリストを作成するにあたり、その精度もまた重要な問題である。我々は以前、汎用的なスコア関数の最適化を行っており、それを踏まえ、最適化されたスコア関数とFrequent hitterのより厳しい除去によるスクリーニングを実施した。スクリーニングには、標的となる2種の細菌RNAポリメラーゼの立体構造とFrequent hitterの除去のために細菌RNAポリメラーゼとは無関係な立体構造を2種使用した。結果として、購入した7種の化合物の内、2種の化合物がグラム陽性菌に対する抗菌活性を示すことが分かった。
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2011 Chem-Bio Informatics Society
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