2018 年 18 巻 p. 119-122
フラグメント分子軌道(fragment molecular orbital; FMO)法は、巨大分子系の電子状態の計算方法として、近年注目を集めている。FMO法の高速化の理由の一つとして、離れた二つのモノマーからなるダイマーを、静電相互作用する二つのモノマーで近似するというdimer-es近似が上げられる。これにより全てのダイマーの電子状態を計算することなく、系全体の電子状態を計算することが可能となる。Dimer-es近似の精度をコントロールするパラメータとしては、二つのモノマーの最近接原子間距離が、原子のvan der Waals半径の和の何倍からdimer-es近似を適用するか(Ldimer、GAMESS版FMO法では、RESDIMと呼ばれる)が重要となる。そこでこの論文では、側鎖分割したペプチドについて、6-31G*基底関数を用い、Ldimerを変えて、FMO2-HF~FMO4-MP2法の計算レベルで計算を行い、HFエネルギー及びMP2電子相関エネルギーの計算精度に対する影響について検討を行った。