2003 年 3 巻 2 号 p. 46-57
アルツハイマー病治療薬として新たなアセチルコリンエステラーゼ阻害剤を設計、合成した。そこで、阻害剤とアセチルコリンエステラーゼのモデリングを行い、その相互作用様式を考察した。最初に、分子動力学法により化合物の配座解析を行い、安定配座を得た。次に、得られた構造を用いてアセチルコリンステラーゼとのドッキングスタディを行った。得られた複合体モデルのエネルギー値は、リジッドな7員環構造を有する光学活性体の阻害活性に差が見られること及びフレキシブルな鎖状構造を有する光学活性体には阻害活性に差が無いことと良く対応していた。また、複合体モデルの構造的特徴に注目することにより、鎖長の違う化合物の構造活性相関を明らかにした。