Chem-Bio Informatics Journal
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αヘリックス上の位置およびそれを取り巻く環境に依存したアミノ酸出現頻度
輪湖 博安 江虹皿井 明倫
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2003 年 3 巻 2 号 p. 58-77

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抄録

蛋白質の立体構造をドロネー四面体分割することで局所構造を定義する方法(Wako and Yamato, Protein Eng. 11, 981-990 (1998))を用いて、αヘリックス上の位置およびそれを取り巻く環境に依存したアミノ酸出現頻度を解析した。ドロネー四面体分割法は、与えられた蛋白質の立体構造(ここではCα原子のみを考える)が占める空間を、頂点をCα原子とする四面体で一意的に分割する。そして、各四面体に、それを含む局所構造の特徴を反映したコード(文字列)を指定することが出来る。αヘリックス内部では36種類のコードが指定されるが、そのコードの違いは、主として、αヘリックスを取り巻く4つのアミノ酸残基の有無を反映している。すなわち、αヘリックスを取り巻く環境をそのコードによって表すことが出来る。そこで、われわれは、それぞれのコードについて(環境への依存性)、四面体のそれぞれの頂点における(αヘリックス上の位置への依存性)アミノ酸出現頻度を調べた。さらに、主成分分析を用いて、αヘリックスにおけるアミノ酸出現頻度の一般的な描像、またN末端・C末端における出現頻度などもそのコードを使って解析した。

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2003 Chem-Bio Informatics Society
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