局所麻酔薬レボブピバカインは,ブピバカインのS(-)体として開発された薬物である.臨床では,局所麻酔薬の血管内誤投与による心毒性が問題となる.そこで,ラット摘出心臓を用いた灌流実験を行い,レボブピバカインの心刺激伝導系を介した心機能抑制に対するペーシング処置の効果,および,カテコラミン(エピネフリン,ノルエピネフリン,イソプロテレノール)による心機能抑制に対する改善効果を検討した.ペーシング処置においては,5μg/mlのレボブピバカイン濃度による心機能の抑制が緩和され,カテコラミン製剤投与においては,エピネフリン 0.8μg/kg/min投与で心機能抑制が緩和された.