2005 年 26 巻 3 号 p. 247-250
心拍動下バイパス術(OPCAB)中100回/分以上の上室性頻脈を呈した20例を対象にランジオロールの循環動態に及ぼす影響を検討した.心拍数,平均動脈圧,中心静脈圧,平均肺動脈圧,混合静脈血酸素飽和度,心拍出量をランジオロール投与開始前(T1),開始後10分(T2),20分(T3),30分(T4) に測定した.心拍数はランジオロール投与開始前112±8回/分であったが投与開始後10分で98±10回/分,投与開始後20分で91±9回/分,30分で86±7回/分と有意に減少した.平均動脈圧は投与開始前74±16mmHgと比べ開始後10分で67±13mmHgと有意に低下したが,それ以上の低下は認められなかった.以上の結果はランジオロールはOPCAB中の上室性頻脈の改善に有用であることを示唆している.