抄録
心筋梗塞による心室中隔破裂(VSR, ventricular
septal rupture)は稀だが致死的な疾患であり、発
症から手術まで7 ~ 10 日以上待機してからの
VSR 手術を行うことが推奨されている。待機の
ためには、循環動態を安定化させ、全身状態を保
つ必要があり、前向性flow の維持が重要課題と
なる。また、心筋に大きなダメージを負った病態
であり、術前の心筋保護は、心機能維持による
前向性flow の確保のみならず長期予後にも直結
する。
エホバの証人の信者は、その宗教的性質上、
輸血をすることができない。無輸血によるVSR
閉鎖手術を成功させるためには、術前に血球や
凝固成分を厳格にモニタリングし、可能な限り
維持する必要がある。本症例は、VSR に伴った
心原性ショックに対してImpella CP® SmartAssist
(Impella CP)を用いた管理を行った症例である。
Impella CP 挿入後に循環動態の安定は得られた
が、血小板の減少を認めたため2 日間の待機にて
VSR 閉鎖術となった。