2024 年 20 巻 p. 18-32
地域若者サポートステーション(以下、サポステ)では、来所する若者の多様性が認識されているが、支援対象者の視点から議論がなされておらず、提供できる支援内容に制限がある。本研究の目的は、サポステにおける支援プロセスと調査協力者の内的変容を可視化することと、就労への行動の促進要因と阻害要因を整理することの2点である。サポステ利用者4名を対象にインタビューを行い、複線径路・等至性アプローチを用い分析を行った。その結果、支援プロセスは多様であり、就労への意味づけ、及びサポステに対する価値観が変容したことが明らかになった。また、阻害要因として、学校や家庭での負の経験、主体性の乏しさ、就労へのプレッシャーが、促進要因として、遊び的な活動、偶有性が示された。今後、支援対象者の理解促進に資する支援者の育成と支援対象者の主体性を高める支援が求められることを提示した。